2006年09月25日

宗達・光琳・抱一を比べる。今回の展覧会の醍醐味。

では、開催期間ももう一週間を切ってしまいましたが、風神雷神図屏風を本格的に取り上げて見ましょう。抱一の絵画はあまり「謎解き」というほど深い意味は込められていないように私自身感じていますので、「見た目」という点から光を当ててみたいと思います。



まず、宗達の雷神を見てみますと、視線を下界に投げているのに対して、光琳の雷神の視線は一方の風神に投げかけられています。

宗達雷神.jpg 宗達風神.jpg


次に雲に注目してみますと、大きさや形はほぼ近いといえますが、宗達の雲は金空にふんわりと軽やかに浮かんでいるように感じられる一方で、光琳の雲は雨雲のような重量感を持っているように感じられるでしょう。

光琳風神雷神.jpg


ここまで、二人の雷神と雲を眺めてきましたが、抱一のはどうでしょう。抱一は宗達の風神雷神図を、描いた時点では見たことがなかったと言われています。彼は光琳の風神雷神図を目の前にして模作をしたそうです。



彼は、各屏風の画面を大体、四角形に改め、風神雷神の姿勢はほぼそのまま写しています。強いて言えば、光琳の雷神よりも配置を少し高く、風神を少し低くしているそうです。

抱一風神雷神左HP.jpg 抱一風神雷神右HP.jpg



この変更によって、10pくらい風神の眼の方が低く位置し、光琳のように風神と雷神が同じような高さでにらみ合うのを避けるとともに、風神の風袋の上方に金の余白を多く配したとされています。多分、わざと変更したんだと思います。江戸っ子の心意気でしょうか?



けれども、一番の変更点はというと、実はあるんです。それは雲に動きを与えたこと。光琳のギュッと集まっていた雷神の雨粒を四方へ広げて、風神の黒雲は前方と下方への激しい動きを墨線で描いています。この点は画面に視覚的に描くことを好んだ抱一の特徴がよく表れていると言われます。
posted by にわか at 11:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 風神雷神図屏風 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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