2006年10月14日

ピックアップ

 http://dailynews.yahoo.co.jp/photograph/pickup/?1160822102


 気になった記事なのでリンクを張っておきます。


 ランドマークタワーの紹介文を引用いたしますと、

引用はじめ

 世界文化遺産に指定されている霊山の高野山・比叡山で受け継がれてきた、日本の声楽の原点声明と、世界的な照明デザイナー・石井幹子氏によるコラボレーション。総勢50人の法衣姿の僧侶が 練り歩きながら披露する「声明」と、会場全体を包み込む現代の最先端の「あかり」が、新たな芸術の 世界を作り出します。「声明」の公演中に、高野山・金剛峯寺所蔵「両界曼荼羅図」(国の重要文化財指定)がランドマークタワーへ大きく投影されます。

引用終わり


 上で、色を変えた「両界曼荼羅」は比叡山・延暦寺の手によって制作されました。その後、信長の比叡山焼き討ちにあって高野山・金剛峰寺へ疎開されたと文献にて証明されています。


 「叡山の僧侶と高野山の僧侶がコラボレーションする」っていうのはいかにも現代的な感覚で、エンターテインメントな気色が強く感じられますが、それはこのような時代ですので致し方ないことだと私は感じております。


 平安時代のことはよく分かりませんので詳しいことは述べられませんが、両者の関係上、従来あまりこのような競演は考えられないことだったのでは
ないかと思います。だからこそ「競演」とされたのでしょう。


 今回の試みはオペラのようなイベント的な要素が強いのですが、是非「両界曼荼羅」など仏画にも興味を持っていただいて、お寺に足を運んでもらえたら私としてはとても嬉しく思います。


 今回のイベントからも分かるように、仏画は本来美術品として作られたわけではないことを忘れてはなりません。作られた時代の人々の信仰の中で制作されて、信仰の中で使用されてきたのです。にわか学芸員としては当時の人々の心的世界に「美術作品」を通じて近づいていけるような展覧会を企画してみたいとつくづく思っています。
posted by にわか at 23:51| Comment(0) | TrackBack(0) | コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年01月21日

コラム1―新しい美術史観

 今日は少し難しい話をしましょう。

 私たち「美術史」の世界では近年、かたちから意味を解釈しようとする試みが多くなされるようになってきました。このブログで私の視点をここに訪ねてくださるみなさんに紹介している内容もそのようなことを前提として成り立っていると言えます。

 ヨーロッパから芸術論が到来して以来、日本に「美術史」という学問が生まれました。近代的な進歩論を前提として「美術史」は展開してきました。そのような近代的な考えに基づいた展開は確かに多大な功績を「美術史」の学問に残しました。

 けれども、それだけでは十分ではありません。近代的な展開の一つとして、造形されたある「かたち」―たとえば、前回紹介しました「紅葉はいつから描かれ始めたか」など―がいつから作られていたのか。という「かたち」にまつわる歴史について中心に考えられてきました。

 つまり、そのような近代的な展開だけでは「なぜ、そのようなかたちで表現されたのか」という大切な問題の解決にはなっていいないからです。その成果によって当時の人々のメンタリティーに触れることが出来ます。近代的な先入観を出来るだけ取り去って、古に思いを馳せられたら面白いのではないでしょうか。

 先代の研究者の方々が作り上げた、かたちを中心とした研究を踏まえながら、私たちは「なぜ、そのような表現をされたのか」という問題へのアプローチを試みています。

 この「かたちの意味」へのアプローチは今始まったばかりです。このような研究の成果を「どのようにして皆さんに還元していくか」が学芸員の大切な使命の一つです。

 このブログはその試みの一つだという意識で開設しております。皆さんに面白いと思っていただければ、ますます美術館・博物館の発展にもつながっていくと考えています。そうような意図が、このブログには込められていると言えます。

 また、私個人としては学芸員として必要になる、皆さんにの「面白いと思っていただけるようなプレゼンの能力」の向上につながることを願ってもいます。何か感じたこと、指摘などがあれば遠慮なくどんどんアドバイスを書き込んでいただければ幸いです。

 以下の広告も長続きさせるためのモチベーションの維持に役立つかと思ってつけています。皆さんの負担になるものではございませんのでよろしければクリックして私の活動資金を応援していただければと思っています。

  月額263円からのかわいいサーバー!ロリポップ! 
posted by にわか at 13:19| Comment(0) | TrackBack(0) | コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

広告


この広告は60日以上更新がないブログに表示がされております。

以下のいずれかの方法で非表示にすることが可能です。

・記事の投稿、編集をおこなう
・マイブログの【設定】 > 【広告設定】 より、「60日間更新が無い場合」 の 「広告を表示しない」にチェックを入れて保存する。


×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。